幻想神秘音楽館

プログレッシヴ&ユーロ・ロックという名の夢幻の迷宮世界へようこそ…。暫し時を忘れ現実世界から離れて幻想と抒情の響宴をお楽しみ下さい。

Monthly Prog Notes -October-

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 10月も終盤に入り、秋真っ只中の「Monthly Prog Notes」をお届けします。

 今回は芸術の秋よろしくプログレッシヴ・ロックの秋に相応しい…ベテランの域ならではの実力と経験値を垣間見せる強力3バンドの新譜というラインナップが出揃いました。
 もはやポンプロックとは呼ばせない位、40年選手に手が届きそうなキャリアとハイレベルな音楽性を誇るであろう、マリリオンと並ぶブリティッシュ・(ネオ)プログレッシヴの筆頭として名高い“IQ(アイキュー)”の通算11枚目の新作が満を持しての登場です。
 5年前の前作の流れを汲みつつ、より以上に深遠且つ重厚でドラマティックな作風は、かつてのジェネシスフォロワー云々といったカテゴリーをも超越し、英国ロックの王道を地で行きつつ大いなる感動を呼び起こす素晴らしい最高傑作・必聴作へと押し上げてます。
 長い歴史を誇るアメリカン・プログレッシヴ界を渡り歩いてきた大ベテランの猛者達が結集した“フライング・カラーズ”待望の新譜3rdアルバムも遂に到着しました。
 スティーヴ・モーズ、ニール・モーズ、そしてマイク・ポートノイという実力者を擁し、アメリカン・プログレッシヴが持つハード&ポップでキャッチーな側面とシンフォニックなリリシズムとが隣り合った極上のサウンドスカルプチュアを構築しています。
 21世紀プログレッシヴ・シーンに於いて、今やオーストリアのシーンを同国のマインドスピークと共に牽引しつつある“ブランク・マニュスクリプト”のスタジオ作通算3枚目の新譜も聴き処満載です。
 アートワークに描かれた意味深な佇まいと雰囲気のイメージ通り、70年代ヴィンテージ系の音色を踏襲したユーロ・シンフォニックの醍醐味が存分に堪能出来る好作品に仕上がっています。
 晩秋の寂寥感と憂いを湛えた寒空の下、心と魂を揺さぶる孤高なる楽師達の渾身の響奏詩に暫し時を忘れて耳を傾けて頂けたら幸いです…。

1.IQ/Resistance
  (from U.K)
  
 Disc 1
 1.A Missile/2.Rise/3.Stay Down/4.Alampandria/
 5.Shallow Bay/6.If Anything/7.For Another Lifetime
 Disc 2
 1.The Great Spirit Way/2.Fire And Security/
 3.Perfect Space/4.Fallout

 前作『The Road Of Bones』から実に5年振りのスタジオ作、数えて通算11枚目に当たる新譜の今作に於いて、自ら構築する音世界ここに極まれりといった感すら窺わせるIQであるが、バンドデヴューから30周年というアニヴァーサリーな意味合いを含め原点回帰に立ち返ったであろう前作…無論作風こそ進化したが、キーボーダーを除くデヴュー当時のメンツが再び集結した気運は決してワンオフな乗りで終わる事無く、揺ぎ無い確固たる決意表明を打ち出したまま今作への収録に臨んだだけにその並々ならぬ意気込みと熱意が全曲の端々から伝わってくる。
 アルバムタイトル並び収録曲名に至るまで時代が抱えている危機や焦燥感をも想起させる意味深な韻を踏んでおり、重々しく畳み掛けるサウンドワークの巧みさに加え、ヘヴィとリリシズムのせめぎ合いがドラマティックにして人間の心の奥底に潜む暗部をも投影しているかの様ですらある。
 97年の傑作『Subterranea』に次ぐ久々の2枚組大作である事も然る事ながら、もはや御大ジェネシス影響下やリスペクトから完全に脱却した、彼等が構築するブリティッシュ・シンフォニックの真髄と王道が徹頭徹尾脳裏に響鳴する傑作以外の何物でもない、齧り聴き厳禁なプログレッシヴ・ロックファンが今の時代にこそ聴くべき珠玉の一枚であろう。
          

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2.FLYING COLORS/Third Degree
  (from U.S.A)
  
 1.The Loss Inside/2.More/3.Cadence/
 4.Guardian/5.Last Train Home/6.Geronimo/
 7.You Are Not Alone/8.Love Letter/9.Crawl

 過去を遡ればディキシー・ドレッグス始めドリーム・シアター、スポックス・ビアード、果てはトランスアトランティックといったアメリカン・プログレッシヴロック史を彩り一時代を築いてきた名立たる大御所クラスのバンドから、名うての実力派ミュージシャンの猛者達が結集した名実共にスーパーバンドの名に恥じない称賛を得ているフライング・カラーズ、本作品は実に5年振りの新譜に当たる3作目であり、アメリカン・プログレッシヴの良心とロックスピリッツが見事に結実したともいえる秀逸な好作品に仕上がっている。
 2012年の結成当初からスティーヴ・モーズを筆頭にニール・モーズ、マイク・ポートノイ、そしてケーシー・マクファーソン、デイヴ・ラルー不動の5人のラインナップは今作でも健在で、誰一人決して欠ける事無く改めてプログレッシヴ・ロックに対する思いと志、そして結束力の固さと信念が全曲の端々からも窺い知れよう。
 曲によってはストリング・セクションをバックに配し、アメリカン・ロックならではの大らかさや懐の広さが垣間見える一方、ブリティッシュ&ユーロピアンの持つ知性とリリシズムすらも散見出来て、文字通りワイルド&ハードな表情の中にインテリジェントでアーティスティックな側面が見事にコンバインした彼等の最高傑作に成り得たと言っても過言であるまい。
 近年のカンサスや毛色こそ違うがイズの新譜にも肉迫するであろう、北米プログレッシヴのプライドと底力に胸が熱くなる様な極上の渾身作を御賞味あれ!
          

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3.BLANK MANUSKRIPT/Krásná Hora
  (from AUSTRIA)
  
 1.Overture/2.Foetus/3.Achluphobia/
 4.Pressure Of Pride/5.Shared Isolation/
 6.Alone At The Institution/7.Silent Departure/
 8.The Last Journey

 21世紀の欧州はオーストリアから、2008年人知れずデヴューを飾った数年後漸く我が国にその名が知られる事となった、70年代イズムのヴィンテージカラーとサウンドワークを脈々と継承した申し子ブランク・マニュスクリプト
 キーボーダー兼コンポーザーのDominik Wallnerを筆頭に、ベースのAlfons Wohlmuth、そしてサックスからフルート、ギター等をマルチに手掛けるJakob Aistleitner(デヴュー時はゲスト参加)をメインに、2015年ホロコーストを題材にした2nd『The Waiting Soldier』からギタリストPeter Baxrainer、2018年地元ラジオ局主催のスタジオライヴ収録盤(限定リリース)からドラマーJakob Siglの両名が参加し今日までに至る次第であるが、フロイド始めクリムゾン、VDGGといった英国プログレッシヴの大御所からの影響下を物語るかの様に、プログレッシヴの常套句でもある「暗く深く重く」といった合言葉を見事に実践したダークで且つ陰鬱さを湛えた、時流のトレンドとは凡そ無縁なフィールドで展開し、あたかも我が道を貫く巌の如き精神で製作された新譜3rdの今作も、多種多様な人種が描かれた意味深な意匠に加え“個(孤独)”とコミュニズムとの対峙といった重々しいテーマをサウンドに転化した、徹頭徹尾ユーロ・シンフォニックとジャズロックの狭間で響鳴する…一朝一夕では為し得ない孤高にして崇高なる哲学と闇の美学が聴く者の脳裏に木霊する事だろう。
 同国の新鋭マインドスピークとは真逆に位置する、聴けば聴くほど癖になりそうな危険な香りを放ち続ける要注意バンドであると共に、かつてのイーラ・クレイグすらも凌駕する曲者感が半端でない事だけは断言出来よう。
          

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